SDカードに記録される瞬間。
2019年最初の散財となったSONY α7Ⅲ。
長崎で暮らしていると、一度は絶対に行くことになる長崎ランタンフェスティバル。
そのランタンフェスティバルの彩りをSONY α7Ⅲで記録してみた。
激辛専門店での駆け引き
夜になるまで時間があったので目についたラーメン屋に入る。入った瞬間に気づいた”激辛専門”というキャッチコピー。その言葉は僕の人生の中において基本的に大歓迎できないことなので脳内は少しパニックに。
すでに椅子に腰をかけてしまった自分を悔いた。
「僕、激辛だめなんですみません。」
なんて言葉を考え始めたりそれはマナー違反だとか相手に失礼だとか別に誰も気にしないんじゃね?とかいう偽善や善業の思いが巡る中 ー
「いらっしゃいませ」アルバイトの学生だろうか、とても気持ちの良い笑顔と声の調子に少しだけ強気を見せた辛さにしようと決意。
「辛さはいかがなさいますか?」
「一番辛くないやつで」
「では、ゼロでよろしいでしょうか?」
「それってどのくらい辛いですか?」
「ぜんぜん辛くないですよ。」
幸か不幸かそんな低レベルな覚悟とは裏腹に、激辛専門店らしからぬ”辛さゼ0”を選ぶことができるシステムに胸をホッと撫で下ろしながら、僕みたいなやつもいるんだよなって恥ずかしくもなった。
激辛専門店のラーメンを”辛さ0”で注文する何番目のお客になったのだろうか気になりながらも全く辛さのないラーメンを胃袋に流し込む。
「おっ、うまいじゃん」
長崎ランタンフェスティバルをα7Ⅲで撮る
すっかり日が暮れてきた。ラーメンで少しだけ温まった体が一瞬で冷えてしまう寒さと戦いながらランタンフェスティバルの聖地でもある長崎眼鏡橋に足を向ける。
平日とあって見物客はちらほら。暗闇を照らす赤っぽくもあるし黄色っぽくもあるランタンの彩りが、冬の寒さをほんのり暖かくしてくれている。
手をつなぎながら笑顔を振りまく彼女にエヘっとした上機嫌の彼氏。我が子の笑い声を聞きながらこの子のために私はいるんだという生きる意味を実感している女性。
目の前に広がる彩りを気にする素振りを見せながらも今夜奇跡的に連れ出すことができた若い子をどうやって抱くかを考えてばかりいるおじさん。自分の国でも見れるであろうにわざわざ長崎まで見に来ているもう笑うしかない中国人観光客。
そんな事を思いながら、首から下げたSONY α7Ⅲでプロカメラマンのように粋がってシャッター切っていく素人カメラマンの僕。
息を止める。
パシャり。
シャッター音が鳴り止むと、64GBのSDカードに記録される二度と繰り返すことのない瞬間。
こうやって自分が目にした一瞬一瞬を切り撮っていくのも悪くない。